アイシテルって言えなくて~大人女子と高校生の恋
父が死んだ・・・・・・。


父が死んだ・・・・・・。



私がもっと早くに
父の異変に気づいていれば


メールをくれた時
少しでも声をかけていれば


父は死ななくてよかった…



現実と夢の中で自分がいるようだった。



でも身体も心も
私からすべてを奪っていた。


式にも出るのがやっとで
ただただぼーっと座っているだけ。


大好きなパパ・・・・・。
尊敬するパパ


いつも一緒だった
苦しい時も楽しい時も
ママがいなくて寂しい時も
パパがいるから
我慢できた。


「メグちゃん お別れして」

奈々さんが言ってくれたけど


私は首を振り続ける。



「やだ…ダメ…お別れなんてしない…」


「もう顔見られないのよ。
パパに見せてあげて……」



奈々さんの腕にすがって
やっと立ち上がった。



父の棺に人が集まっていた。



その中に恭平が立っていた。



涙でかすむ・・・・・・



「恵美さん 恵太さん待ってるよ」


恭平がそう言った。


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