年上彼氏様
いつもなら笑顔で何か言ってくれるはずなのに。
今日は何も喋ってくれない。
聞こえてくるのは車の音だけ。
「あのぉ」
何か喋ろうと声をかけても
「何」
返ってくるのは突き放した言葉。
あぁ、そっか、やっぱり呆れちゃったんだ。
靴もちゃんと履けないあたしに
きっともう冷めちゃったんだ・・
どうしよう、あたし何てバカな事を!!
いつも会う前は服装チェックしてるのに。
何で今日はちゃんとできなかったんだろう?
無言のまま走らせた車は
当初予定していた場所とは全く違う場所に着いた。
ここって・・彼のマンションだ。
来るのは二回目。
でも部屋まで入った事はない。
エンジンを切って彼がドアを開けて車から出ると
「降りて」
そう言って助手席のドアが開き
腕を引っ張られて降ろされた。