年上彼氏様


いつもなら笑顔で何か言ってくれるはずなのに。

今日は何も喋ってくれない。


聞こえてくるのは車の音だけ。

「あのぉ」

何か喋ろうと声をかけても

「何」

返ってくるのは突き放した言葉。


あぁ、そっか、やっぱり呆れちゃったんだ。

靴もちゃんと履けないあたしに

きっともう冷めちゃったんだ・・

どうしよう、あたし何てバカな事を!!


いつも会う前は服装チェックしてるのに。

何で今日はちゃんとできなかったんだろう?

無言のまま走らせた車は

当初予定していた場所とは全く違う場所に着いた。


ここって・・彼のマンションだ。

来るのは二回目。

でも部屋まで入った事はない。


エンジンを切って彼がドアを開けて車から出ると

「降りて」

そう言って助手席のドアが開き
腕を引っ張られて降ろされた。





< 10 / 36 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop