携帯小説的恋
暫く無言でレポートを読んでいたマノさんの身体が、微かに震え出した。

「ぷ、ぷファ~ 順ちゃん、これ、凄く面白い。

これって、こないだの実体験?」

「ち、違いますよぉ~

半分は実体験も踏まえてますけど、半分は空想です。

こんな風だったらいいなとか、こうした方が面白かったなとか……」

「この、ゴンドラでおならは厳禁です!ってくだり、笑えるよぉ~

ね、いいこと考えた。

このレポート、社内報のコラムに載せていいかな? 遊園地レポートってことで」

「は?」

「ほら、うちの会社は電気メーカーでしょ。

でも、家電やパソコンの他にも、こういうアミューズメントの制御システムとか、目に見えない仕事も結構してるわけ。

だから、時々、月人君にあげたみたいな遊園地の招待券が広報に回ってくるのよ。

で、その紹介として、遊園地レポート。

それも若者の視線から見た、生の声。

これ、いけるわ!」

マノさんは、瞳を輝かせて喋り続ける。
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