みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部

「良かったです。あおい様が楽しまれたそうで」


「なんか、あたしばっかり楽しんじゃったかな」

あおいは呟いた。その間、藤咲さんはここで松永さんのこと探ってたんだもんね…。

「いいえ。あおい様が楽しまれれば、嬉しいです」

藤咲さんは微笑む。
その横顔は上品で大人っぽくて、高級で頼れる感じで…。あおいは照れ臭くて顔を伏せた。



ようやくエントランスに着いたころだ。


後ろからコツコツと、テンポの早い足音がした。

家政婦さんだろうかと、あおいは気にとめなかった。
しかし足音は、あおい達のすぐ後ろまでやって来た。

……?

あおいは足を止めた。
しかし、それよりも一拍藤咲さんのほうが早く止まった。


あおいは振り向いた。

「………え」


それを見て、あおいは喉が詰まった。

どうして?
さよなら、したじゃない。


藤咲さんが一拍早く止まったのは、引き留められたからだった。
腕を掴まれている。
長い爪の、細い指が。

< 58 / 67 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop