みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
「良かったです。あおい様が楽しまれたそうで」
「なんか、あたしばっかり楽しんじゃったかな」
あおいは呟いた。その間、藤咲さんはここで松永さんのこと探ってたんだもんね…。
「いいえ。あおい様が楽しまれれば、嬉しいです」
藤咲さんは微笑む。
その横顔は上品で大人っぽくて、高級で頼れる感じで…。あおいは照れ臭くて顔を伏せた。
ようやくエントランスに着いたころだ。
後ろからコツコツと、テンポの早い足音がした。
家政婦さんだろうかと、あおいは気にとめなかった。
しかし足音は、あおい達のすぐ後ろまでやって来た。
……?
あおいは足を止めた。
しかし、それよりも一拍藤咲さんのほうが早く止まった。
あおいは振り向いた。
「………え」
それを見て、あおいは喉が詰まった。
どうして?
さよなら、したじゃない。
藤咲さんが一拍早く止まったのは、引き留められたからだった。
腕を掴まれている。
長い爪の、細い指が。