みつあみ少女にティアラを乗せて ж2部
黒髪の人形は、何も言わず藤咲さんを見詰めながら微笑んでいた。
赤いルージュの唇が吊り上がる。
生ホラー映画のようだった。
声が出ない。
ドキドキする。
怖い。
その腕を放して……!
「忘れ物があったから、届けなきゃと思いまして」
依鶴は笑みを浮かべて、藤咲さんにそう言った。
「何でしょう」
藤咲さんが問いかけたと同時だった。その藤咲さんの腕を掴んだ依鶴の手は、すっと肩に移動した。
あおいの胸は、大きな音をたてた。
藤咲さんに接近した依鶴は、すくっと背伸びをして――。