弱いあたし
「ここなら俺ら以外は誰も知らないだろ?」
初めて逢った場所に連れてこられる。
「よっと」
近くにある小石を拾って川に投げる。
「んな難しいこと考えねえで今を考えろよ。俺らまだまだガキだぜ?親が大人に迷惑かけてナンボだろ。お前も俺に迷惑かけていいんだよ、ばーか」
「あいたっ」
デコピンをされる。
「お前は1人じゃねえ。俺が居る。世界を敵に回しても俺はお前を守る」
真っ直ぐあたしを見て言ってくれる。
あたしは凪斗みたいな存在を探してた。
直樹やお母さんには絶対迷惑かけれないって。
心の奥から何もかもを拒絶して、1人でうずくまってた。
「・・凪斗は魔法使いだね・・」
「えっ」
「ありがとっ。あたしはもう大丈夫だよっ」
あたしは凪斗を見て笑う。
「無理するなよ」
「ううん、平気。あたし、帰るよ!」
「じゃあ送るよ」
「1人で大丈夫!凪斗も家帰りなよ?」
「あ、あぁ・・」
「じゃあね!」
凪斗とばいばいして家に帰る。