恋の豪邸
1.隼人の1日
朝…意識が覚める。
目を開けるの面倒いから閉じたままだけど、朝だと言うのが分かる。何故かって?……毎朝この時間になると同じ音楽が流れるから。確かヴィヴァルディ作曲の四季…多くの小学校では朝の登校のメロディーとして流れてたと思う。俺の家では朝、目覚めのメロディーとして流れる。


…もう学校の時間なのか…。
起きるの面倒い。


バタンっ

『ご主人様!朝でございます。お起き下さいませ。』


……はぁ…うざい女が来た。何故か俺の事をすごく構う昔ながらの馴染み。毎日毎日うざいのは日常茶飯事の様なもんだ。だからあくまでも俺は寝たふりを決め込む。


『ご主人様…ご主人様?……』

そいつは何度か俺の名を呼ぶと一旦その声が止める。…何か嫌な予感が脳裏をよぎった。



『ご主人様ああぁ!お起きて下さいませ!!』


一瞬彼女が息を吸う音が聞こえたかと思うと次の瞬間大きな声が部屋に響いた。あぁもう五月蝿ぇ!堪えきれねぇ!!!


『ああぁもぉ五月蝿ぇんだよ、朝っぱらから!』

あまりの音量に堪えきれなくて俺はガバっと起き上がる。ふわふわの栗色ヘアをした少女がメガホン片手に俺の枕元に立っていた。

『おはようございますごご主人様。もう朝の7時ですよ?』

『……………』
『お手伝いさん達がご主人様のお好きなビッグサンドを作って下さってます…早くお起き下さい学校に遅れますよ?』


はぁ…何だってこいつはこんなにうぜぇんだ?俺は学校になんか行きたくないっての。


『テメーだけで言って来い』
『嫌です!ご主人様が行かないなら私も行きません!』



ブチッっと俺の中で何かが切れる音がした。どうせコイツはこっちが押そうが引こうが動かねぇヤツだ。長年の付き合いから嫌と言う程分かってる。


『…はぁー。わぁーった行きゃあいんだろ行きゃあ』


身体が気ダルいながらも無理矢理起き上がる。


こうして今日もまた俺のつまらない1日が始まるんだ。


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