幕末〓冷血の鬼
「俺にはまだまだやることが有るんだよ!」


「切腹するのか斬られてえのか?」


少し低めの声で俺がそう言うと、新見は体をビクッと揺らした。


「土方。てめえ……。」


新見は、刀を持ち鞘を抜いた。


「切腹にするのですか?新見さん。」


「ああ。最後は武士らしく散ってやる。」

新見はそう言い終わると、自分の腹に刀を刺した。


「うぅっ………。」


新見は苦しそうに腹を抱えその場に倒れこんだ。


「総司、新見を楽にしてやれ。」


俺がそう言うと総司は、頷き新見にとどめをさした。
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