幕末〓冷血の鬼
屯所の門をくぐると平助と土方さんが、部屋に入るところだった。


「土方さん!!」


私がそう言うと土方さんは驚いた様子で私に駆け寄ってきた。


「恋花!どうやってここまで帰って来たんだ?」


「勝さんに送ってもらったんです。」


「勝……勝海舟か?」


「はい。」


「一つ借りをつくっちまったな。置いてきてすまなかった。」


土方さんはそう言って私の頭を撫でた。


「でも恋花ちゃんが無事で良かったよ。」

平助はそう言って私に笑顔を向けた。


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