幕末〓冷血の鬼
「そうか。なら薬の事は俺に聞け。」


「土方さんに?」


「石田散薬は俺の家での薬だ。」


「えっ?」


「俺の家は薬屋だったんだ。もし俺が新選組に入っていなかったら今頃薬でも売っていただろうよ。」


「土方さんが薬屋………。」


道端で薬を売っている土方さんを想像すると、今とは全然違う土方さんが思い浮かぶ。


「まあ、こっちの方が性に合ってるがな。」


土方さんはそう言って苦笑しながら自分の刀の鞘を撫でた。
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