幕末〓冷血の鬼
「山崎、いるか?」


部屋に戻りしばらくすると、土方さんが俺の部屋の前に来た。


「いますよ。どうぞ。」


俺がそう言うと土方さんは襖を開け、部屋の中に入ってきた。


そして、俺の前にゆっくりと座ると俺の顔を真っ直ぐに見た。


「恋花に、医術を学べと言ったんだってな。」


「はい。」


「感謝する。」


めったにお礼を言わない土方さんに礼を言われ驚いていると土方さんは言葉を続けた。


「恋花お前の提案聞いて、張り切ってやがるんだ。刀を持つと言わず医術を学ぶって言ってな。」


「そうですか。」


「でも珍しいな、お前が俺達以外の奴にそう言うことを言うのは。」


俺はその言葉にドキッとした。
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