幕末〓冷血の鬼
「そう………なんですか。」


「ああ。」


「じゃがわしは大丈夫きに。殺されそうになったらこれで逃げるんじゃ。」


龍馬さんはそう言って、懐からゴツくて黒い物を出してきた。


「それは?」


「ピストルじゃ。」


「ピストル?」


「そうじゃ。こんは、鉄砲と同じようなもんじゃ、隠して持ち歩ける小さな鉄砲じゃき。メリケンのもんじゃ。」


「メリケンってこういうのもあるんですね。」


「世界は広いきに。おっと、もう夕暮れじゃ。恋花さんもう屯所に戻らんといかん。この話はまた今度じゃ。」


龍馬さんはそう言うと座布団から立ち上がった。
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