幕末〓冷血の鬼

大政奉還

「将軍徳川公が政権を朝廷に返しただと?」


山崎に問い返すと山崎は静かに頷いた。


「坂本龍馬の説得により、将軍徳川慶喜が統治権返上を明治天皇に上奏し、天皇が上奏を勅許したと聞きました。」


「坂本の野郎やりやがったな………。」


(団子屋で会った時斬り殺すべきだった…)


もし斬り殺しておけばこうはならなかっただろう。


この話を近藤さんにしたら、近藤さんはどうするんだ?


俺の感では嫌な予感しかしない。


「山崎、近藤さんの所に行くぞ。」


「はい。」


だが大将である近藤さんにはこれからも何が起きてもドッカリ座っててもらわなきゃならねえ。


(俺がしっかりしねえとな………)


そう思いながら近藤さんの部屋に向かった。
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