幕末〓冷血の鬼

震える手

平助が死んでから、土方さんは部屋に籠もってしまっていた。


「恋花君、歳の様子を見てきてくれないか?俺はこれから行かなければならない所があるんでね。」


「わかりました。」


隊士達の話を聞くと、仕事はしているそうだがそれ以外では部屋から出て来ないらしい。


私は熱いお茶を持ち、土方さんの部屋に向かった。


「やめろぉぉぉ~!!!」


土方さんの部屋に着くと、土方さんの苦しそうな声が聞こえて私は勢いよく襖を開けた。


部屋の中では布団の上で顔を青くし何かに怯えている土方さんの姿があった。
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