幕末〓冷血の鬼
その後、部屋に籠もり策を練っていると遠くから銃声が聞こえた。


「何だ?」


筆を置き外に出ると庭には斎藤がいた。


「山の方から銃声が聞こえましたね。」


「ああ、訓練かと思ったが一発しか聞こえなかったな。」


(一発だけの銃声……)


訓練でない事は確かであろう。


「山崎。」


俺がそう言うと山崎は俺の目の前に現れた。


「何でしょう?」


「銃声がした方を見てきてくれ。近藤さんが心配だ。」


銃声がした方向は近藤さんが向かった方向と同じで俺は胸騒ぎがして仕方がなかった。


「わかりました。」


山崎はそれだけ言うと俺の前から姿を消した。


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