幕末〓冷血の鬼
恋花は、俺の腕を振り払わずただ固まっていた。


こいつが苦しんでいるのなら俺が半分背負ってやりたい。


(どうしちまったんだ…俺。)

女は男に仕える道具。


そう考えてきた。


なのに今腕の中にいる恋花を見ると、守ってやりたい、助けてやりたいと思ってしまう。


「ほら戻るぞ。近藤さん達が心配する。」


俺は、そんな気持ちを振り切り恋花を離した。


恋をしてはいけない。


俺は、何時死ぬか分からない人間だ。


それに、恋をして弱い人間にはなりたくねえ。


俺は月を見た後部屋に戻った。
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