幕末〓冷血の鬼
屋敷に入ると隊士達は暗い顔をして、ボソボソと話をしていた。


「土方さん!!」


「俺達は見捨てられたのですか?」


「俺達これからどうすれば………」


俺が居るのに気づくと隊士達は俺に次々と問いただしてきた。


「お前ら少し落ち着け。」


俺がそう言うと隊士達はシーンと静まり俺の顔を不安げに見てきた。


「まだ終わったわけじゃねえ。天保山沖には榎本さんがいる。」


「えのもとさん?」


「徳川家家職の海軍副総裁の人だ。あの人の所には沢山の幕府軍がいる。そこに行けばまだ望みはある。」


俺の言葉を聞いて隊士達の顔は少しだがさっきより明るくなった。
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