幕末〓冷血の鬼
「わかった。だがお前はあまり動くな。」


「土方さんは過保護ですね。」


「お前は、少し黙っていろ。」


クスクスと笑いながら喋る総司を黙らせしばらくすると水葬が始まった。


船の上ではラッパが吹奏され、山崎は海に落とされた。


恋花は俺の服を掴み、必死に泣くのを我慢している。


葬儀が終わると、近藤さんは海軍の人達に頭を下げ何回も礼を言っていた。


そしてしばらくすると、江戸が見えて来た。


「帰って来たな。歳。」


近藤さんは懐かしそうに江戸の方を見つめた。


「ああ。」


(戦のやり直しだ。)


俺は、江戸を見つめグッと決心した。
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