幕末〓冷血の鬼
「わかってるよ。これには、新見 錦も参加させる。あいつは腕が立つからな。」


「それはあんたの好きにしてくれ。くれぐれも目立たないようにしてくれ。」


「土方はしつこいな。わかったと言ってるだろ?」


芹沢は、そう言ってお気に入りの鉄扇で畳を叩いた。


「芹沢さん、あなたは京洛一の国士でしょう頼りにしてるんだ。」


「近藤おだててるつもりか?」

「俺が人をおだてる人間に見えるか?」


近藤さんがそう言うと芹沢は、近藤さんをジッと見た。


「見えんな。」


芹沢がそう言うと、近藤さんはホッとした顔をした。
< 52 / 627 >

この作品をシェア

pagetop