幕末〓冷血の鬼
「私は、戦場に行きます。だから「口だけの約束でも良いのです!」」


沖田さんの手を見ると細かく震えていた。

(そう言えば、私も土方さんが戦場に行くとき『死なないでください!』て言ったな……)


心のどこかでは絶対は無理とわかっていても、可能性がある限りそれに、すがりつきたくなる。


「……わかりました。生きて帰ってきます。」


私がそう言うと沖田さんは着物の中から、小さな御守りを取り出した。


「これは近藤さんからもらった御守りです。この御守りは、あなたが持って下さい。」


「そんな大切な物持てません!!」


私がそう言っても沖田さんは、私の手に御守りを乗せた。
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