幕末〓冷血の鬼

「ありがとうございます。」


部屋に入ると恋花はペコッと頭を下げた。


「さっきも、言ったが気にするな。それより酌をしてくれ。」


宿の人が持って来た酒を俺が持つと恋花はニコッと笑って、俺の隣に座った。


「どうぞ。」


とっくりを傾け、おちょこに酒を注ぐと恋花はジッと酒を見ていた。


「飲みてえのか？」


「いえ!!私、お酒飲んだ事ありませんし。」


そう言いながらも恋花の目は明らかに酒を見ている。


「もうお前も酒を飲める歳だろ？少しくらい飲んでも大したことねえよ。ほら、酒入れてやるから持て。」


俺がそう言うと恋花はゆっくりとおちょこを持った。