【番外編】ご主人様は†ヴァンパイア†
どこまで信用していいか分からない者達ばかりの中で、バドは背中のかゆい所にも手が届く気配りを見せ、ラシードの信頼を獲得していた。



そんなわけで、ラシードはバドに全幅の信頼を寄せ、親友のように思っているので対等でありたいと思い「様もいらないよ」と言ったのだが、バドはかぶりを振った。



「それはいけません、ラシード様」



頑なに上下関係を崩そうとしないバド。


少し寂しい気もしたが、バドらしいと思い更に信頼を深めた。



ラシードは鏡に映る人間界の映像に目を移し、バドを呼んだ本来の主旨に戻った。



「これは人間界を映す特別な鏡だ。

強力な力に反応してその様子を映す。本来は法に逆らい人間界に行き悪行を働く魔界の住人を取り締まるために作られた物らしいが、先ほど映った映像には人間しかいなかった」


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