君のそばに


「…ごめん…」


嘉賀くんはもう一度言った。

さっきよりも小さな声で。




「何で、…嘉賀くんが謝るの…?」

私は思わず振り向いて、そう言った。




むしろ謝るのは私の方だよ。







清水さんとのキスシーンを盗み見てゴメン。


泣いてゴメン。



逃げてゴメン。





ほら、考えたら私にはこんなに謝ることがある。



なのに、何で嘉賀くんが謝るの?



嘉賀くんは何に対して謝ってるの?




私は驚きを隠せず嘉賀くんを見つめていると、



「清水とキスして、ごめん」

苦しそうに眉間に皺を寄せて、嘉賀くんはそう言った。



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