君のそばに
−キーンコーン、カーンコーン…−
授業終了の鐘と共に生徒たちが一斉に席を立った。
私は教科書を綺麗に揃えると机にしまい込んだ。
いわゆる”置き勉”ってやつだ。
こんな事をする理由は一つしかない!
テストじゃないのに、こんな分厚い教科書たちを持って帰るのが面倒だからだ。
大体、持って帰る人なんているの?
私はたとえ持って帰ったとしても勉強しない自信がある!!
…はぁ…別に威張って言う事じゃないし。
…私ってば、こんな感じだから追試ばっか取るんだろうな…
私は心の中でそう呟いた。
…って、今はそんな事どうでも良いんだった!これから委員会があるから、早くしないと!
私は初委員会でちょっとだけワクワクしていた。
それから必要な物だけ鞄に突っ込んで教室を出た。
すると、入口の所に実春が立っていた。
どうやら待っていてくれたらしい。
実春は私が出て来たのを合図に、「よっこらしょっ」と壁にもたれ掛けていた背中を離した。
そして私と実春は、今朝の雰囲気を引きずりながら委員会が行われる第3会議室に向かった。