君のそばに

−キーンコーン、カーンコーン…−

授業終了の鐘と共に生徒たちが一斉に席を立った。


私は教科書を綺麗に揃えると机にしまい込んだ。
いわゆる”置き勉”ってやつだ。

こんな事をする理由は一つしかない!

テストじゃないのに、こんな分厚い教科書たちを持って帰るのが面倒だからだ。


大体、持って帰る人なんているの?

私はたとえ持って帰ったとしても勉強しない自信がある!!




…はぁ…別に威張って言う事じゃないし。
…私ってば、こんな感じだから追試ばっか取るんだろうな…


私は心の中でそう呟いた。



…って、今はそんな事どうでも良いんだった!これから委員会があるから、早くしないと!


私は初委員会でちょっとだけワクワクしていた。



それから必要な物だけ鞄に突っ込んで教室を出た。


すると、入口の所に実春が立っていた。

どうやら待っていてくれたらしい。


実春は私が出て来たのを合図に、「よっこらしょっ」と壁にもたれ掛けていた背中を離した。


そして私と実春は、今朝の雰囲気を引きずりながら委員会が行われる第3会議室に向かった。

< 77 / 185 >

この作品をシェア

pagetop