君への距離~クリスマスの奇跡~
泣かないで
「ありがと-」

杏をアパートの前まで送り届けてシオは帰って行った。


帰り際の杏の一言。
「リサちゃんをよろしく-♪」


「やだも~!!」

リサは照れながら笑い、シオは表情が凍り付く。


「あいつ…余計なこと言いやがって!」




「杏、バカだぁ-」

リサは笑う。


「そうっすね…ホンマにバカ!」



「…でも、そんな杏が中塩くん好きなんだよね?」




リサは悲しげに笑う。

シオはハッとする。



「あたしもバカな杏が好き。



でも、




中塩くんのことも好き。」



車の外はびっくりするほど寒いのに、薄暗い車内は熱気に満ちていた。




「…リサちゃん、えっと…」


「あたしこっから歩いて帰ります。…さよなら!」



リサはシオが何も言う前に車から降りた。




取り残されたシオは唖然としていた。


ため息をつきシートを倒し、低い天井を仰いだ。





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