今宵 知らぬ円舞曲 歌われぬ旋律 まるで御伽噺。


「あくまでも、気をつけてね。

今日この話をしたのは、

ふたりがそのお話の兄弟に、

似ていたからよ」


「分かった。

おばさん、バイバイ!」



ふたりは、手を繋いで、


エドのおばさんの家を出た。


仲良くバケツを手に持って、


家に帰った。



「そう言えば、今日、パパとママ

お家にいないね」


「だね」


ふたりは、玄関で見つめ合うように、


顔を合わせた。



とても、不思議な気分になる。


まるで、自分たちが


ユリーとラリーになった気分。







< 10 / 20 >

この作品をシェア

pagetop