今宵 知らぬ円舞曲 歌われぬ旋律 まるで御伽噺。
「あくまでも、気をつけてね。
今日この話をしたのは、
ふたりがそのお話の兄弟に、
似ていたからよ」
「分かった。
おばさん、バイバイ!」
ふたりは、手を繋いで、
エドのおばさんの家を出た。
仲良くバケツを手に持って、
家に帰った。
「そう言えば、今日、パパとママ
お家にいないね」
「だね」
ふたりは、玄関で見つめ合うように、
顔を合わせた。
とても、不思議な気分になる。
まるで、自分たちが
ユリーとラリーになった気分。