今宵 知らぬ円舞曲 歌われぬ旋律 まるで御伽噺。
「たくさん、入っているわね。
あ、そうだわ。ハロウィンの日だし、
ハロウィンの話をしましょう!」
「わーい! おばさん、ありがとう!」
「どうぞ、家の中にお入り」
エドのおばさんは、ふたりを
広間まで案内して、ふわふわの
ソファーに座らせた。
「さて、Trick and Treatは、
知っているかしら?」
ふたりは、同時に首をかしげた。
「Trick and Treat?
Trick or Treatじゃないの?」
「そうよ。
これは、歪んだ欲張りな恋の話よ」
まだ、ふたりには早いかしら? と、
おばさんは笑う。