王様と料理人
料理人の困惑
信っじらんない!!

信っじらんない!!

ブツブツと呟きながら、ひたすらハーブを摘み取る。

サリ達から聞いた噂についてラウル王に問い詰めたものの、のらりくらりとかわされた。

挙げ句の果てに『せっかくだから真実にしちゃおーよ♪』と軽ーく言われ、怒り爆発。

捨て台詞を吐いて、勢いのままハーブ園まで来てしまったのだ。

ハーブを摘んで、少し緑に染まった指先を見ながら俯いた。

「絶対に帰るんだから…。」

そう、絶対に帰る。

そのためにも、なるべくこの世界には染まらない。

それが、トーコの考えた自己防衛策。

いつまでも異質な存在でいれば、この世界からはじかれるんじゃないかという淡い期待。

「だから、王様に好かれるなんて迷惑…。」

「迷惑なの?」

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