王様と料理人
頼もしい秘書官と料理人と王様と
こちらの世界にも珈琲がある。

正確には名前も作り方も違うのだが、完全に珈琲の味と見た目。

…と、いう訳でアレだ。

「コーヒーゼリーを作ろう!」

実は、料理全般大好きなんだけど、唯一スイーツだけはレパートリーが少ない。

なにせ我が家では兄がスイーツ担当だったし。

でも、ラウル王の三度の食事&ティータイムまで任される料理人としてはそんな事も言ってられず…。

うん、コーヒーゼリーなら簡単簡単。

早速厨房に籠もって作ること1時間。

「あ、うまくいった。」

試食して悦に入っていると、この城の料理長であるチャドさん(54歳)が現われた。

「やぁ、トーコ。相変わらず熱心だね。ラウル様用のデザートかい?」

「そうです。えーっと、ゼリーって言うんですけど…こちらにはありますか?」

やはり世界が違えば食文化も違うもので、チャドさんとの情報交換はいつも楽しい。

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