神様は知っている

悲しいから。苦しいから。






話したくない……






…そんな気持ちが。人間にはあるんだ






「……お前苦しいだろうな…………」


「…………」


「佳奈の気持ちを知っていながら、それを見ることしかできないなんて」


「……そんなこと。無い」


「……………」


「……俺は。」






そこで話を止められる




純平は息を吸い込み。下を向いて口をゆっくり動かした








「…………苦しいけど。
　　　　…それでも。佳奈が好きなんだ。

…確かに悲しいけど。でもさ？、アイツは……光と居た方が幸せだから…………」




「………………」






幸せだから…………？






それじゃぁ。お前はどうすんだよ






「お前は。それでいいのかよ…………」



そう聞くと。純平は



寂しそうな笑顔で……








「俺は。幸せ………………」








ボソッと。だけどはっきりと、……悲しい声で言ったんだ








「佳奈が大好きだから。」


「…………」





「佳奈を想えるだけで。俺は幸せだから…………」







人間には。きっとあるんだ







愛しい愛しい。大切な宝物が







……それを手に入れ。守る方法は人それぞれ








純平は。





守る方法を、間違えている………………