君の隣で ーセンセイとアタシー


先生はスーツの上着すら脱いでいなかった

いつもなら「動きづらい」って帰ってきたらすぐに脱ぐのに

ネクタイもきっちり締めたままだった


先生どうしたの?
いつもの先生じゃないよ?


「…お、お帰り…」


先生はあたしの落とした買い物袋を拾い上げると、キッチンに運んでくれた

あたしはなんでこんな早い時間に先生がいるのかわからなくて、先生が「和奏?」とあたしの顔の前で手を振るまで動けなかった


「…きょ…今日は肉?」

「う、うん…」




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