君の隣で ーセンセイとアタシー


先生は食材を冷蔵庫にしまいながら、どこか浮き足立っていた

ソワソワして落ち着かない

…嫌な予感がした


先生から「別れよう」って言われそうで怖かった


「…あの…和奏」


だから先生が冷蔵庫を閉じて、真面目な表情であたしを見る


「和奏…」


今は、いや…


「きょ、今日はね!すき焼きだよ!タイムセールでお買い得だったんだ!」


あたしは今までにないくらい明るく言った

でなきゃ、先生の言葉を遮れなかっただろうから




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