君の隣で ーセンセイとアタシー
初*内緒?
雨がひどく降っていた
そのヒトは旧校舎の裏手にいた
「和奏っ!!」
体育座りをしていて、俺の声に反応してびくりと身体を震わせた
「あ……ぁぉぃ…さん…」
俺たちが校舎を飛び出した直後に雨は降り出していた
その前から外にいた和奏は今の今までずっと雨にうたれていたのか、制服はビチョビチョに濡れて和奏の華奢なラインに張り付いていた
「葵衣っ!取り敢えず中に入ろう、このままじゃ藤咲も風邪を引く」
「いや……このまま帰るよ」
俺の後ろにいた真壁の存在にも和奏は虚ろな瞳で見ていなかった