君の隣で ーセンセイとアタシー
「あの……」
そこで詰まってしまった…真美ちゃんに話すのがいやな訳じゃない、むしろ真美ちゃんにしか話したくない
でも…真美ちゃんに話せば必然的にこの部屋に居る先生にも聞こえちゃうわけで
「はぁ……そんなに俺には話したくないわけだ」
「へっ?王子?」
「いいさ、福谷には話せば良いさ」
先生は読んでいた本を置いて部屋を出て行った
そのドアの閉め方はとても乱暴で先生の口調が『俺』になっていた
真美ちゃんはドアとあたしを見比べるように何度も見た
「わ、和奏…今…俺って言った?」
「うん…あの…真美ちゃん…聞いてほしいことがあるんだ…」