君の隣で ーセンセイとアタシー
「ここ?」
海辺の街の喧騒から離れた場所にそこはあった
真っ白な十字架
色とりどりのステンドグラス
厳かな雰囲気
「教会…に来たかったの?」
「あぁ…」
繋いでいた和奏の手を腕に移してゆっくりと中に入った
「綺麗…」
教会の中はさっきまで結婚式まであったのか華が綺麗に飾られていた
まるで“その時”のように一歩一歩歩む俺たち
「ここさ…俺の両親が挙式をあげた場所なんだ…」
「そう、なんだ…」
「その時の母さんのお腹には俺がいて、母さんはよく3人で結婚式をしたのよ?って話してた…だから俺ももしするならここがいいなって思っていて…」
“する”って言葉に和奏の手が反応した