黒い天使―私と天使の秘密な関係―
「あれ?上野、残業?」
そう声をかけてきてくれたのは村上先輩。
キーボードを叩く手を止め、村上先輩の方を見た。
「はい、残業です……」
私は苦笑いしながらそう言った。
「もしかして昼間の作業のせい?」
「えっ……ま、まぁ……」
「川上さんは帰っちゃったんだ……」
村上先輩が川上さんの席をチラッと見た。
「ったく、人にやらせといて、自分はさっさと帰っちゃうなんてな」
私は何て答えていいのかわからず、黙ったままでいた。
「まだかかりそう?」
「いや、そんなには……」
「じゃー、晩飯でも食いに行かね?」
「えっ?」
目を見開いて、村上先輩を見る。
「迷惑……だったかな?それとも先客あり?」
私は目を見開いたまま首を左右に振った。
「良かった。あっ、終わったら声かけて?」
村上先輩はそう言って、自分の席に座った。
どうしよう……。
村上先輩にご飯誘われちゃったよ……。
あぁ……どうしよう……。