宇宙少女観察記
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俺は今日も懲りない自称宇宙人(実はあながち嘘でもないと思っている)のいりびたる屋上へ向かっていた。
錆びかけていてぎしぎしと音が出る重い扉をあける。
しかし、いつものように見慣れた姿はなく、それがなんとも奇妙に感じた。
いやいや、普通こうでなくちゃいけないからね、
やっと諦めたかあの宇宙人(仮)(←もはや認めたも同然)
俺は来る途中なんて言って追い出そうかと考えていたため、
吐き出せない文句が若干気持ち悪かったが、
用のない場所にいつまでいたって無駄なので踵を返した。
ガシャンッ
…………スタッ
「ふぅ、…行ったか。」
バァァンッ
「ふぅ、…行ったか。じゃ、ねぇ!!!知恵つけやがってこの異星人!!」
危ない、危うく騙されるところだった。
「物にあたるんじゃないの。お母さんいつも言ってるでしょう。」
「黙れ!お前に生んでもらった覚えはねぇ!」
「ふっはっは、またお前は母さんにあたって、しょうがない子だ。」
「いちいち声変えて小芝居すんな。何気にうまいのが余計腹立つ!」
「まぁまぁ落ち着け。チッ…しくじったか。」
「もう少しささやかに悔しがれよせめて。」
こうして、
毎回くだらない小競り合いから始まって結局俺が折れる形で終わる。
こんな日常にいい加減終止符を打ちたい今日この頃である。