宇宙少女観察記

まじでか





おい、先生。

聞いたって信じられないことを聞くくらいなら、聞かないほうがいいと思わないか。

そう、周りの人間のように。




なぜなら人間は、自分の理解が及ばない領域のことを、信じようとはしない、信じることができない生き物だから。

確かな確証を得るまでは、ね。




さて、ここで記念すべき質問者一号に敬意を表して、少しだけ教えてやろう。

まず、私がここに居る理由だ。

ここは、この近辺で最も電波状況がいい。

そして、私がなにをしているのか。

それは…百聞は一見にしかず。

身をもって体験してみたらいい。

この場所ならば、

普通の人間にも少しくらいなら…。




さぁ、目をとじろ。


拒否権はないぞ。

聞いたのはお前だからな。


男は淡々とした口調やその内容に、身を硬くした。

何かをされるのか、?と生唾を飲み込むも、指一本すら動かすことができなかった。




次第に頬に触れていた手がゆっくりと目の上を覆うように移動させられたかと思うと、

刹那、莫大な量の音声、情報、映像が脳内を駆け巡っていく。

ほんの一瞬の出来事だった。

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