─ Alice ?─
「ハアッ……ハァ……ハアッ」
無我夢中で走った。
今、チェシャ猫に逢ったら
きっと殺される。
でも
記憶が戻り、黒兎を助けたら
きっと、チェシャ猫を
元に戻せる。
わからないけれど…
そうであってほしい。
「ハァ…ハアッ……
待っててね、チェシャ猫…。」
どれだけ走っただろうか
相変わらず周りは森である。
「……出口ってあるの?」
素朴な疑問である。
すると、
質問に答えるかのように
風が吹く。
ザワアアアアア
風が………
風、が…
風強すぎ!!(もはや台風並)
「ちょっ…えっ!?きゃあ!!」
飛ばされる!!と思ったときには手遅れ。
私は風に浚われていった。
ああ、もうどうにでもなれ。