─ Alice ?─


「こらこら。
私は1人しかいないんだから
どっちかしか行けないわよ。」

宥めるように双子に言う。
すると二人は顔を見合わせて
にっこりと笑った。


「ねえアリスお姉さん。」
「そういえば答え見つかった?」


…答え?

「次会うまでに決めておく、って
約束したよね?」

「僕か、ディーか」
「どっちが好きか」
「「決めてくれた?」」


…忘れていた。


どっちかなんて決められるわけないじゃない。

二人とも最高に可愛いし
二人とも大好きだもの。


「私、二人とも同じくらい好きよ?」


「おんなじ?全く?」
「そんなぁ。」


ブーブー言いながら二人で
どうする?なんて話をしている。


どうしようもないんだけどなあ…


「仕方ないから半分こだね。」
「そうだね、仕方ないね。」


「「独り占めしたかったなあ…」」


……え?

「アリスが選ばないのが悪いんだよ?」

「せっかく時間あげたのに。」


いつの間にか物騒な鎌を持ち出し

私の目の前で2つの鎌が交差する。



「「バイバイ。アリスお姉さん♪」



殺される!!!
思わず目を瞑る。


しかし痛みは襲ってこない。

その代わり、肌に、
何か液体が付いたような感覚。

ぴちゃっ、という音と共に
鼻につく鉄の匂い。


「い゙、たぁ…何するんだよ、ダム。」

「い゙、たぁ…何するんだよ、ディー。」


目を開けて愕然とした。


ディーの鎌がダムの腕に

ダムの鎌がディーの腕に


突き刺さり、血が噴き出していた。



顔に付いたのは、血。
私の掌は真っ赤だった。


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