─ Alice ?─



確かに一理ある。


人間は欲深い。



私も、何が望みなのかと考え、誰かに愛されたいと願っていた。



「必要以上に何かを欲しては罰が下されるよ。」



にこやかに、黒兎さんは言う。




「さあ、ありす。不思議の国は永遠に不思議の国になった。



もうありすをいじめる奴らはいないよ。


もう誰も、ありすを欲する余り殺そうとしたり殺し合ったりしないよ。


時は止まったから。
ゲームは停止しているから。」




もう、誰も私を欲していない



そう言われた気がした。




怖い思いはしなくて済むはずなのに







何故か、 物 足 り な い 。





「どうしたの?ありす。これでもまだ不服なの?」



「ちがっ…う。そういう、わけじゃ……」




じゃあ、何なの?



私、なにが気に入らないの?




「君を死に物狂いで求めてくる奴らはいないんだ。安心だよ。なのに、どうしてそんな顔をするんだい?」



にこにこと微笑みながら、黒兎さんは楽しそうに話す。




前にも、確かに自覚したことがあったわ





わたしは正常なはずなのに




欲していることは 安心 なんかじゃない




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