─ Alice ?─



にゃー。




小さな黒猫が、塀から飛び降り、私を見上げる。


猫好きがわかるのか、足に絡みついて離れる気配がない。



「こらこらっ…」


よじ登ろうとする黒猫を無理やり剥がし、

なんとか前に進もうとするが、




シャアァア !!


急に黒猫は私から離れ、此方を睨む。


無理やり剥がしたから…なのかしら。





「よしよし…、そんなに怒って、どうしたの?」





コツ..


「そんなに睨まなくたっていいだろーよ、なあ黒いの。」
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