─ Alice ?─
本当に帽子屋さんなの?
まるで別人。
目の前の彼は私を射抜く程に視線を注ぎ
指で私の唇を何度もなぞる。
「この真っ赤な唇…
蜂蜜色の美しい髪
柔らかな体…
私は貴女の全てが欲しい。」
ドクン
胸が大きく脈打つ。
「あ……。
帽子屋、さん……。」
息が かかる 。
帽子屋さんの
甘い 甘い
吐息に体が熱を帯び
薔薇の香りに酔いしれそうになる。
「……アリス。
私たちのアリス。
永遠にここにいてください。
そして
永遠に終わらない
お茶会を……
ア リ ス 。
私の ア リ ス になって下さい。」