love adoration

センセの過去(一部)

「佐倉。お前は出来てるっぽいからもう帰って良いぞ。」
センセの口調はいつもと変わらず優しめだけど、いつもと何かが違う。
蘭もそれを感じ取ったのか、渋々帰った。


「楯永…さっきはホント悪かった。」
センセが言う。
「センセって、婚約者いたんですね。」
ウチは独り言のように言う。
「昔の話…だ。」
センセは苦しそうに言う。
「今も、好きなの？」
「好きだったことは変わりない。けど、さっき佐倉も言ってたみたいに、俺は友美を裏切った。」
「どういうこと？」
センセが言う。






「結婚式に俺は出なかった。













あいつに運命を感じなかった。

かわいかったけど、好きじゃなかった。

友達としては最高に好きだったけど、


これから一生歩んでいく相手としては、
正直

なにも感じなかったんだ。」


苦しそうに言うセンセ。
だけど、



「センセ？私にすべてを話さなくていいですよ？？

だって、センセに取って私は、生徒。
そう何十人もいる内の1人の生徒。
そうでしょ？？」