生徒会とメガネっ子
気が付くと綾の後ろには慧市が立っていた。

「学校で待ってて正解だったな。それにしてもなんかあったのか?スゲーデカいため息付いてたけど。」

慧市の声を聞いた綾はなんだか気持ちが緩んで、今にも泣き出しそうだった。

「ねぇ、慧市。今だけ胸貸して…理由はちゃんと明日話すから…」

そう言って綾は慧市の胸に身体を預けて、そのまま泣いてしまった。

「おいおい…」

そう言いながらも慧市はしっかりと綾を支えていた。

「……ヒック……ヒック…」

「あれ…寝たのか?」

綾を見ると、グッスリと寝ていた。

「よく立ったまま寝られるな…しょうがねぇな…」

苦笑いして、慧市は寝ている綾をおぶって綾の家へと向かって歩いていった。
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