MISS YOU
【淡い日々ー11】


━━━ここは
駅近くにある
マクドナルド。









「なんだ、
千里腹減ってたんだな。
ご飯食べてないの?」










「ううん、何か急に
食べたくなってね。
それにホラ!
新製品の
「カニマック」!
どんな味かなって」








「アハハ、
こんなとこのカニ、
千里にとったら
美味しくないだろ?」









千里は二年前の
高校一年に
親の転勤で、北海道から
ここの街に引っ越して
来たのだ。








本場のカニの味を
知っているので
そんな言い方をしたが、
決してここのマックの
悪口を言ったワケでは
ない。









むしろ、
マックは俺の、
いや全高校生の
希望の星だ!









新製品の
カニマックを食べると
朋樹は驚きの声を
上げた。









「んん~~~~~!!!

んはい!!(うまい)」












ちょっとお値段は
はるものの、

その味は、肉とカニの
絶妙なハーモニーを
醸し出していた。










「アハハ!
ここ、ついてるよ朋樹」







そうクスクスと笑い、
慌てて食べる朋樹に対し

千里は口に付いた
カニを取ってくれた。











「あ、でも
ホント、美味しいね」










千里もニコニコと
美味しそうに
カニバーガーに
かぶりつく。









「ホントかあ?
地元のカニのがうまい
だろ?」









「ううん。
そうじゃないよ。
朋樹と食べるから
美味しいんだよ」










そう言う千里に対し、

朋樹はここが店だと
いうことに落胆した。








(店じゃなかったら
抱き締めてんのに…)
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