ギャップ  ~違いの果て~
有毒・無毒・有愛・無愛
あれからというもの、林クンはいじめから私を
守ってくれた。



でも・・・・



やっぱり林クンはSなのか、毎回お礼をねだってくるから、
私はそれをどう捉えていいのか分からなかった。

分かるときが、来ることもなかった。

林クンにとってのお礼が、私にとっての罰。
私をどうしたいのか?
林クンは優しく守ってくれるだけで、それ以上の事は
求めようとしなかった。

そのくせに・・・

やんわりと私の心を自分に向ける。
林クンにとっては何でもない事なんだろう。

でも私にとっては、いじめよりはるかに苦しい・・・


私は、林修夜が好きだった・・・・。



林修夜は、私に気はない。

思い込み?
本当に好き?

何度も自分に聞いてみた。

でも私、バカだから、答えが見つかんなかった。


そんな毎日が2週間続いたある日、
数学のテストで自己最低点をとった。
もちろん、林クンのせいで。


「ははは!!ガリ勉地味娘でも悪い点とるんだぁ!!」

グシャッっとテストを丸め、佐竹さんを睨み、
林クンを見つめた。
助けを求めて。

「佐竹未緒(さたけみお)」。
私のいじめ考案者。

(林クン!助けてよッ・・!)
心の中で叫んだ。

泣きながら目で訴える。

目が合った!!

(助けてもらえる!)



バカだった。
少しでも、


ほんの少しでも、
林クンが手を差し伸べてくれるだろう。と、
期待した私がバカだった。

まさか、一度重なった目を、


逸らされるとは、思わなかった。
< 6 / 8 >

この作品をシェア

pagetop