キミのとなりで
「オイ、山本!!ちょっとこっち来て!!」

さっきまで池田と話していた松本が、同じ小学校の山本を呼んでいる。

そして山本の耳元で何かを言っていた。

『何言ってるんだろ・・・』

その姿を目にした詩織は気になって、すこし松本たちの方をチラチラ見た。

「ハァ!?誰??しーちゃんって!?」

山本が大きな声で言った。

詩織はビックリして松本たちの方を見た。

『えぇ!?何??もしかして、しーちゃんってあたしのこと??さっきの遥との会話聞いてたワケ??』

「だ~か~ら。とりあえずしーちゃんって言っとけ!!分かったか??」

そういって松本はニヤニヤしている。

「ねぇ、私の席のとなりの人って詩織ちゃんに気があるんじゃない??」

遥までニヤニヤし始めた。

「まさかぁ!!たまたま会話が聞こえたから面白がって言ってるだけだよ!!」

「イヤ、分からんよぉ。いきなりあだ名で呼ぶなんて、気があるとしか思えないし!!」

「イヤ、絶対ないって!!」

「え~。そうかなぁ??」

口ではそう言っているが、詩織は少し松本のことを意識していた。
< 7 / 19 >

この作品をシェア

pagetop