奇蹟のはじまり
記憶
翔Side

「松本くんはまだ帰らな

いの?」

俺がそういうと男子生徒

もとい、松本くんはつか

つかと教壇に向かって歩

いて来ました。

「な、何?」

松本くんは俺の目の前ま

でくると吸い込まれそう

な程澄んだ瞳で俺を見つ

めました。

俺より背が高い松本くん

が無言で目の前に立って

いるので威圧感がありま

す。

何か怒らせるようなこと

を言ったかなと頭の中で

はさっき言った言葉を何

度も繰り返しました。

思い当たることがあれば

素直に謝るつもりでした



『なぁ』

「う、うん」

『あれ、誰に教えてもら

ったの?』
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