奇蹟のはじまり
『早く食べてよ』

翔の焦れた声で回想から

覚めました。

「おいしい…」

俺の言葉に翔は得意満面

の笑みを浮かべました。

「ま、でも味付けは千恵

さんがしたんでしょう?



『野菜切ったのは俺だも

ん』

『翔ちゃんも和也様も子

供みたい』

二人でやり合っている姿

を見て千恵さんと智が笑

っています。





『そういえば、今街で噂

になってるんだよ。知っ

てる?』

食事が和やかに進んでい

る時に翔が言った。

「主語をちゃんと言いな

さい」

翔がちょっと不満そうに

しました。
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